イメージの共有 引き出しを増やす為にも全力で遊ぶ

 

 

イメージを共有すること

 

僕らの仕事で大切なことの一つ

 

誰かと何かを作る時に漠然としたイメージを言葉に変換する

 

そしてそのイメージを擦り合わせる必要がある

 

あくまでも頭の中でのイメージだからお互いの観てる絵を近づけないと出来上がった最終形がずれてしまう可能性が生じる

 

だからそのイメージを近づける為に言葉や必要なら資料を用いて伝える

 

今日からまた音楽家 太田美帆さんの新作のMVの撮影で美帆さんが福岡にやって来てくれる

 

その撮影の打ち合わせを小田としていた時に危なくイメージの交通事故が起こるところだった

 

完成した音からヴィジュアルをイメージする

 

今回はアルバム収録曲の中から「Dear」という曲の撮影

 

この曲は淡く儚いんだけどすごく優しくあたたかい気持ちになれる

 

それを映像にするときに境界のない感じにしたいなと思い、線が曖昧なような、あの世とこの世の境をなくす、無常観、もののあはれといったキーワードを出していく

 

そこでロケーションとして海や川、湖などの水辺で撮りたいねと候補を絞っていきロケハンをする

 

ロケハンから戻り小田から最終的なイメージを打ち合わせする中で提示してくれる内容を聞いていると何か違うなとなり、そこで一冊の写真集を見せるとようやく納得してくれる

 

一枚の写真で共通認識して納得できることって面白いですよね

 

方向性をつけるのにその一枚のイメージがあるかないかで大きく変わってしまうことがある

 

その為に僕らには本気の遊びが必要

 

どこかに移動するときにも「あっ!ここ撮影に使えそう」とか常にアンテナを張る必要がある

 

日頃から写真集などを読んだりして見識を拡げる

 

写真史やファッション史やアート史といった文脈を頭に入れておくと話はスイスイ進んだりする

 

写真の中でも分野がある

 

ファッションフォトなのか、ピューリッツァー賞なんかに受賞する報道写真なのか、マグナムフォトのような国際的写真家集団なのか

 

リチャードアヴェドンやアーヴィングペンといった巨匠たちの写真を観たりして引き出しを増やすことが僕の中では遊びと思っている

 

打ち合わせの中や現場ではこの引き出しの数こそが重要になってくる

 

写真という表現はほんと奥が深い

 

若い頃はラリークラークが撮る行き場のない今にも爆発しそうなティーンエイジャーの写真が好きだったなぁ

 

当時お金なんて全然ないからアートブックの専門店とかに行ってよく立ち読みしてた

 

タワレコ8階の本屋はほんとよく通ってたとしみじみ振り返る

 

みんながスマホでパシャパシャ撮る中でこの先の一枚の写真の価値についても議論されている

 

インスタグラムでは一日に億を越す枚数がアップロードされているんですよ!?

 

ほんと情報が大氾濫しているんですよね

 

その中に埋没しないように発信したり観てもらえるように考えないといけない

 

発信も届かなくては伝わらないように伝えるってこの時代すごく大変なことでもある

 

それでも愚直にやっていれば響く人が近くにいると信じている

 

好きな写真家の一人にセバスチャン サルガドがいる

 

彼の撮る写真や活動に魅了されている人は少なくない

 

何を撮るか?の被写体の設定は難しい

 

ある種出尽くされた中でそれでも何を出すか

 

のめり込めばのめり込むほどに沼にハマる

 

そこはもうほんと底なしの沼

 

正解なんてないし向き合うは自分のみ

 

そんなこんなで子どもたちを起こす時間でーす

 

高速で過ぎていく毎日に振り返る時間もなくただひたすら目の前に集中する

 

それでも楽しくやれてるのは好きなことだからというのもあるだろう

 

今日の撮影はどんな風になるのかなぁ

 

その完成が楽しみという衝動に突き動かされる

 

出来上がったものを届ける為にも力を貸して欲しいっす

 

オラに力をっ!!←久しぶりの悟空登場

 

うつしきは定休日となります

 

また木曜日からの常設でお待ちしておりますね

 

今日も最高な一日を

 

 

 

 

 

 

 

 

yasuhide ono | 小野 泰秀

五児の父 世界放浪の際にアクセサリー制作の活動を開始 2013年福岡県宮若市に移住 2015年9月新月より福岡県宮若市にて「うつしき」というギャラリーを始動 日本の美意識、東洋的価値観、装身具の持つ”心を装う”という機能を追求する

うつしき

暮らしと道具のあいだ

©yasuhide ono