オリジナル信仰についての考察
連日の大雨
この辺りでもかなり酷いのにもっとすごい地域だとどうなってるんだろう
異常気象が毎年恒例になりつつある昨今
それが当たり前になって欲しくない
今日は前回告知した通りオリジナル信仰についてちょっと書いてみたい
あの多彩な芸術家ジャンコクトーがオリジナリティを嫌っていたのは有名な話
「私はオリジナリティが大きらいだ。できるだけそれを避けている。」と明言している
日本でも同じようなことは沢山あって世阿弥は「ものまね」こそを重視した
かといって世阿弥の舞台世界がたんなる「ものまね」におわったかというと決してそんなことはない
逆に能楽は日本の芸能の中でも格別なオリジナリティを確立していったのだ
世阿弥はその「ものまね」を「稽古条々」として培うことを奨励した
まなびの語源がものまねのまねるにあったことを考えると日本の教育の原点はまねにある
本当のオリジナルって正直かなり怪しい
アクセサリーだって首からぶら下げれば大抵ネックレスとして成立する
昔の先住民族たちは骨に紐を通して首から飾り威厳を保っていた
それを例えば純金で骨の形を作ってネックレスにすれば格好いいかはさておき一つのデザイン案として成立する
少し前にカルティエが釘やナットをモチーフにブレスレットやピアスを作っていた
だからと言って「あれ釘のパクリやん!!」とはならない
でもここでいうオリジナルは釘なのであって
用途が転移した時に面白さが生まれる事例の一つとしてここでは挙げる
工芸の世界でも写しという概念があって
写しとコピーの違いって難しいですよね
ここで一つ大きな違いはいい形を自分の手で再現したいというのが写しであるとすると
いい形を大量生産したいというのがコピーだろう
ここでは儲けたいという商売根性と精神性が大きな違いなのかな
3Dプリンターが一般にどんどん普及することを考えるとさらにコピーの方について考えなくてはいけなくなる
同じ品質のものが安く買えるならそっちの方がいいというのは消費者心理としてある
でもその人の作るものだから買いたいというのはその人の作るものを信頼したファンを獲得できているといえる
じゃあ作り手はそういう人たちに響く物作りをしなくてはいけないということだ
ここでもう一度オリジナル信仰について考えてみる
クリエイターのオリジナル信仰(自分らしさ信仰)って結構強いものがある
二次創作をどのように受け入れるかというのがアニメや漫画のようなオタク文化にはある
ガンダムやエヴァンゲリオンの二次創作したりフィギュアやグッズ化したもので商売をするというのは一般認知として普通でしょ?
そこの分野と比べるとファッションやアート、工芸の世界を土壌としている人たちの中で、自分たちのやってることの方が崇高なこととしてると考えてる人が多いのは事実
それってなんでなんだろう?
職業や職種で上下をつけているのかそれともプライドかのどちらかだろう
でも自分の作品と近い雰囲気の作品があったとしたらあまりいい気分はしないですけどね←実体験として何度かあるのでなんかモゾモゾッとするのは確か
でもそもそもの制作方法が近いことに問題もある
彫金も木工も陶芸も硝子も素材と作業肯定の出発点は近しいところから始まる
そこでオリジナリティを見出して作った作品が実はあなたが知らないだけで同じような作品が過去にあったとしたらどうするか?
知らないがゆえの事故
パクリとオマージュも紙一重な世界
だから作り手は作品を作り続けるしかないし
他の人にはできないような技巧に走るのも一つの手
でも技巧に走るとコッテリとするのは確かなんですよね
アールヌーボーやアールデコ、ゴシックやバロック
うつしとまねとオリジナル
どこまで行っても難しい問題ですよね
コピペと盗用は少し悪意があるからなぁ
なんかこの辺複雑すぎる
そんなこんなで子どもたちを起こす時間でーす
デリケートな問題なので答えは簡単には出ないし出せない
僕は人が作り出したものにオリジナルなんてないと思ってる
というのも全ては組み合わせ次第だから
自分の作ってるものは全て子どものようなものだから作り手にとって可愛いのはみんな一緒
子どもの嫁ぎ先を親が決めるのは時代を巻き戻すことになりかねない
政略結婚的な感じとでもいいますか
でも手当たり次第に広げるのもなんか違う
作品とお店の相思相愛が理想ではある
オリジナル問題からはズレましたね
こんな雨の中でもお店に足を運んでもらえる人達には感謝しかない
白縫衣での展示も残すところあと二日
手打ち十段うどん馬鹿一代の釜バターうどんが食べたい
あそこのお店は何時に行っても長蛇の列ですごいですよね
さぁ今日もコツコツ手を動かしていきましょう
最高な一日を
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