うつしきでの展示のテーマが決まるまで – 小野友寛 – 編
2月22日(土)より山香デザイン室 小野友寛さんの展示を
うつしきにて開催します
今日は展示が始まる前にこの展示のテーマや文章がどのように決まっていくのか
という裏側をここでは少し書いてみたいと思います
まずは展示と連動した喫茶での催しの詳細になります
Abstract object
大分県杵築市に在る山香デザイン室
デザイナー小野友寛氏によるうつしきでの二回目の個展
古来より日本人は時の流れの堆積した
詫びたものや錆びたものに抽象的な美しさを見出してきた
物事や表象を 性質・共通性・本質に着目しそれを抽き出して把握する
紙や土、木といった素材を解釈し噛み砕き
それぞれの素材の質感の美しいと感じた部分を作品として昇華する
デザイナーであり作家である二つの側面を持つオタク気質で研究に余念のない
別名山香のガンジー
そんな彼の抽象表現をどうぞお楽しみあれ
日程
2020年2月22日(土)- 3月1日
※期間中休みなし
在廊日
22日(土),23日(日),1日(日)
うつしき喫茶室の催し
2月29日(土)、3月1日(日)
一部 11時半
二部 15時 ※要予約
ベジタリアン料理 ¥3000(+500でノンベジを追加出来ます)
私たちがインドから受け取っている恩恵を、食を通じて、皆さんと分かち合えたらと思います。
TANEについて
南インド料理には、医食同源の考えに基づいた、生きた智慧が脈々と受け継がれています。
私たちは食べたもので出来ています。
食べものは、身体をつくるだけでなく、心の栄養にもなると思っています。 食べることで身体を整える。
身体が整うと、なんだか心まで整うような、そんな食事を提供できたらと思っています。
身体や自然に負担になることなく、身体と心に滋養のある食事やひとときになるように、心を込めて作っています。
大分県別府市にて、店舗営業中。
ここから少し考察してみる
まず前提として知ってほしいことは山香デザイン室の小野さんには
うつしきである展示のDMを初回以外は全てお願いしているということ
そしてうつしきでは2年振りの2回目の展示であるということで
年間に何回も会って打ち合わせをしたり
お酒を飲む間柄
その小野さんに今どんなものが作りたいですか?と会う度に聞いてみたり
こんな物あったらどうですかねと提案してみたりしている
具体的に展示1ヶ月半くらい前から核となる
今回のテーマが送られてきた
” Abstract object “
直訳すると抽象的な物
ここにいくつかこのテーマに補足する内容が添えてあった
ここからが僕の仕事のひとつ
このテーマをより広くの方にわかりやすく伝えないといけないということや
展示に興味を持ってもらわないといけない
小野さん本人についても興味を持ってもらいたいということで
文章を構成していく
まず抽象という概念をどう捉えるか
日本人の美意識って世界の中でもかなり特殊だと思っていて
まず侘び寂びという概念
” 時の流れの堆積した詫びたものや錆びたものに抽象的な美しさを見出してきた “
この様々な素材の表情に美を見出してきたのは
茶の文化からの派生で皆も知る千利休の功績が大きいと思っています
利休の功績を語るのはだいぶ時間がかかるのでここでは割愛します
詫び寂びはシャビーなどの欧米の言葉に当てはまらないんですよね
英語で説明される際もwabi sabiと表記されることからも
この概念は欧米の言葉に置きかわりにくいのだと思います
皮肉なことに今wabiの表現や説明している本は日本人以外の方が深いし面白いという現実もある
Axel Vervoordtのwabi inspirationやレナードコーエンのわびさびを読み解くは非常に良書
だからこそうつしきでは日本の美意識や東洋の美意識を深掘りしていきたいのです
話が逸れましたが
この詫びや寂びといったことが抽象に掛け合わせているということ
” 物事や表象を 性質・共通性・本質に着目しそれを抽き出して把握する
紙や土、木といった素材を解釈し噛み砕き
それぞれの素材の質感の美しいと感じた部分を作品として昇華する “
ここでは抽象についての説明と作品になるまでの過程の説明
” デザイナーであり作家である二つの側面を持つオタク気質で研究に余念のない
別名山香のガンジー “
作家のキャラクターの説明といった3つのポイントを盛り込んで文章を構成しています
キャラクターを知るとその人のことがグッと身近になります
作家さんによっては嫌がることもあるでしょう
そこはさすが小野さん
DM文章に山香のガンジーを入れることを受け容れてくれましたよ
本人に会えばあっガンジー!!ってなるくらい似てるんです
物や作品の説明ってどこからどこまですればいいかすごく難しくて
意味を求めていけばいくらでもあって
それこそ知識沼に陥っていく
でもなんかこれがいい!と思う感覚や気持ちは選ぶ上ですごく大事だと思っています
そして喫茶室での催しとの関係性
大分の別府で南インド料理を営むTANE
前回の小野さんの展示の時にもお願いしてこちらも今回で二回目
山香の小野さんはTANEのショップカードを作っていることや
ガンジー=インドということもあり(こちらは完全に後付けです)
TANEさんにお願いしています
TANEについては細胞が喜ぶスパイス料理で最高にうまいんです!!
とまた別で説明しないと延々と続いてしまいそうなので
本日はこの辺りに
それでは素晴らしい日曜日をお過ごしくださいね