帰国と振り返り
ブログの更新を再開する!っと決めてから約一週間
現実的には時間が足りなかったぁ
昨日無事日本に戻りました〜
今回の帰国はトラブルもなく無事余裕を持って空港に到着しました
前回の飛行機乗り遅れ事件を考えると同じ失敗はもうしたくない
インド滞在中は何をしているのか?
普段日本にいる時よりも正直忙しい
というのもこの場所でしかできないことがたくさんあるから
原石を探してそこから自分のしたい形に石を加工していく
原石の形や表情からこの部分を上面にしたいと職人さんに指示を出す
縦、横、厚み
1mmの差が見た目の印象を大きく変えてしまう
カボションの場合とカットストーンの場合でも変わってくる
これを作品にしていく場合にも様々な工程が入れ子構造上で加味されてくる
この場合だとこうで、こっちの場合だとこうだよねと言った具合
そんなことを朝から晩までずっと繰り返す
宿→石屋→工房→石屋→宿と多少変われど
比較的同じようなルーティーンの毎日なのだが
これが非常に大事なのだ
量と質
どっちも蔑ろにはできない
量をやることで質に繋がっていく
反対に量をやらずに質に繋がるのだろうか
質を高める
宝石の場合、クオリティは金額に比例していく
素材の持つ力
同じサイズの石でも質によって値段が何倍にも跳ね上がる
ここにも資本の論理が影響してしまうのだ
だからといって値段が高ければそれがいいかといえばそういうわけでもない
それを見る眼が必要になってくる
クオリティと市場の関係性
値段に見合わないものというのも世の中を見渡せばたくさんある
ステータスとして手元に欲しいという感覚というのもあるだろう
上を見ればキリがない
現在、世界で一番宝石の中で価値が高いと言われているのが
「ファンシービビッドオレンジダイヤモンド」
2013年11月にジュネーブで開かれたクリスティーズオークションに出品され
1カラット当たり240万ドル(約2.4億円)で落札された世界一高い宝石
カラット数14.82ct 落札額3554万ドル(約36億円)
この地球では手の指の第一関節に満たないサイズの石が36億円もの価値を持つのです
上を見ればキリがないの意味はここに集約されていく
価値の種類も多様だ
機能的価値:提供物自体が顧客に提供する価値
金銭的価値:支払われた価格の関数が、価値があると認識されたオファリングに関連している場合である。この値は、他の値と金銭的コストの間のトレードオフを招く。
社会的価値:製品を所有したり、サービスに従事したりすることで、消費者が他の人とつながりを持てること
心理的価値:製品が消費者に自己を表現したり気分を良くしたりできること
価値の源泉となる要因には感情・精神・身体、社会的・経済的・文化的・環境的要因など様々ある
その背景というのがあらゆる物や体験において加味されていくことになる
価値があるのと自分が欲しいはまた違うことだ
ここを一緒くたにしてしまうと物差しの基準を明け渡すことになる
自分がいい悪いの判断する基準となる物差し
好きにも嫌いにも度合いがある
この値段ならまぁ買いだなとか
ちょっと値段と釣り合ってないかなぁとか
長い目で見た時に価値が上がってそうだぞ!とか
色々な目盛りが一つの物を見る際にも影響してくる
これは2022年の地球を生きている限り常に付きまとってくる命題の一つ
古道具もそうだし、ファッションも、飲食も、サービスもそう
更に細分化すると古道具にも骨董、古美術、アンティークと言葉が変われば定義が変わる
定義が変われば価値が変わる
そんな資本主義経済圏を僕らは生きているのです
で、量と質の話にまた戻る
自分自身の感覚としては質を常に追求していきたい
一つのクオリティ
クオンティティを否定しているわけでは決してない
量を求めるいい点としては養える人の数を増やせることにある
一人でできる領域にはどうしても限りがある
人と人が協力することで量を作ることができるのも事実だ
その結果が数の論理というのも一つの側面ではあるだろう
個人的な感覚としてはより大きくというよりも
より深く、よりあたたかく、よりピースな循環を考え続けたい
一生懸命な人がいるのであれば応援したい
人間の持つ情緒を磨いていきたいと心から思う
数学者の岡潔は「情操教育」の大切さを説いていた
数学というとどこか無情緒に感じるのに
それを数学者が言うから説得力が違う
そして、最近めちゃくちゃ考える「利己と利他」の問題
自分なんてどうでもいいと思う反面
自分の表現にこだわりまくる
この矛盾なアンビバレントな感覚が常につきまとう
それでも人の為を思っていたい
自分の為だけに生きるのって非常に虚しいことなんだ
どれだけ美味いもんを食べてもそれを共有する人がいなければそれは少し虚しい
分かち合ってこその人生だ
そんなことを書きながら一つ質問だ
お前が世界一高い36億円のダイヤモンドを好きなようにデザインしジュエリーを制作しろと言われた場合
何を作るのか??
この問題は無視できない
予算という縛りを無くして何を作るか
非常に難しい問題だ
それをハリーウィンストンやカルティエ、ブルガリ、ティファニーなんかは当時のクライアントにやってきたのだ
そう思うとすごい世界なんですよね
老舗ブランドが抱える歴史からは学ぶことしかない
バックパッカーだった十数年前
今はもう「仕事」が先立ってしまい行くところも毎回同じようなものだ
そこから新鮮なことを得られているのだろうか
もちろん回数を重ねるごとに得ることは大分違ってくる
見識が広がるからだ
その分細部のローカルカルチャーを見逃してしまっているような気もする
お金は無いけど時間だけはあった当時
そこで五感を通じて吸収できるもの全て吸収してやろうと思っていた
どっちがいいかなんてわからない
比較する対象として”過去の自分”と”今の自分”どっちがいいかと比べているようなものだ
過去を肯定すると今を否定するような気分になる
無い物ねだりはどこまでもついてくる
だからこそ面白くもあるし難しくもある
今を精一杯生きたい
今を精一杯生きるとはどういうこと?
くだらん自問が常に湧いて出てくるぜ( ´Д`)y━・~~
帰国していつも思うのは日本ははっきり言って最高です!
今はまさにボーナス状態(断食明けのような感覚)
美味しいご飯に湯船に浸かるという文化
ほとんどの家庭に浴槽がある
これは日本の水の豊かさを物語っている
今目の前にある豊かさを享受しないで
無い物ねだりの不確かな幸せなんて願っていてもしょうがない
全ては心次第
無いものに目を向けずに今あるものを大切に
この地球って感じれば感じるほどに面白いですよ
うつしきももうすぐ7周年
今回はスタッフや自分達の活動にフォーカスを当てた展示を行います
詳細は以下のブログよりチェックしてみてください
さぁ、存分に今を満喫するぞぉ
エキセントリック少年ボーイな一日を♡
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🐃うつしきwebsite更新ごと🐃
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